今だから話せるごくうの歴史

   


  

ごくうと呼ばれはじめた頃  
 
 

 プロフィール2「ごくうに歴史あり」は消滅しました。
 だって、もう21世紀なんだもん。(意味不明)
 
 
 それはまだ私がうら若き中学1年の3学期末であった。
 私は始めて「〇〇〇の ごくう に似ている。」と一部で噂されていたことを知った。
 「ざけんじゃねぇ!」 なんて、最初は思ってた。
 小学校の頃もアダ名で呼ばれていたが中学に入ってから自然消滅した。
 皆は私を姓で呼んでいた。
 ごく一部の子を除いては。
 
 一部の子が必ずしも「ごくう」と呼び続けていた訳ではない。
 ハヤリでもあるかのように時折変化していった。
 ごく・・・いやたった一人を除いては。
 
 中学時代の卒業アルバムがある。
 表紙の裏にはクラスの皆の寄せ書き。
 ただ一人クラスでない子の書き込みがひとつ。
 「ごくうちゃん」
 
 その子とは卒業以来会っていない・・・と思う。
 高校通学中にバッタリ会った事ぐらいあったかもしれないが・・・覚えていない。
 
 まぁ、とにかく。
 その子と別々の高校へ行って、もう会うことは無い。
 姓以外のアダ名で呼んでた他の子も別の学校だ。
 
 そこで、新しい私が始まる。
 
 高校入学式。
 そして翌日。
 
 私の住まう愛知県には当時、不可思議な習慣があった。
 (今でもあるかもしれないが)
 入学翌日から合宿が始まる。
 なんの事は無い。
 歩行訓練。点呼。集団行動の訓練を泊りがけで行う。
 驚く事は無い。
 別に自衛隊学校でも警察学校でもない。
 私の入った学校が特殊な訳ではない。
 一部の学校を除いた公立高校は皆、同じ事をしていたのだから。
 当時はそれが当たり前だった。
 当たり前と思ってた。
 
 嗚呼、話が逸れた。
 
 兎に角。
 その訓練合宿一日目。
 朝の諸々が終ってお昼。
 訓練中は私語禁止。
 やっとクラスで一緒になった皆々と自由に話ができるのだった。
 
 初顔合わせのメンバーでも、おおよそ役割分担は出来ている。
 話好きの奴。聞き上手な奴。ふざけた奴。無口な奴。
 
 Dスケという男がいた。
 もちろん、初顔合わせだ。
 Dスケは言った。
 「〇〇〇の ごくう に似ている。」と。
 皆も頷いた。
 
 その時の私の驚きの真意を知るものがそこに居ただろうか?
 「やめてくれよ〜。」
 というのは「変なアダ名つけるんじゃねぇよ」と拒む意味に思われてたかもしれないが
 既に呼ばれなれていた名だったのだ。
 
 やっと、「ごくうちゃん」から開放される。
 その開放感が早くも入学翌日に崩れ去った。
 
 それでも私は対した不安は感じていなかった。
 
 中学の時もそうだった。
 私を「ごくう」と呼ぶのは、ごく一部の人間だったからだ。
 
 甘かった。
 
 2泊3日の合宿が終る頃。
 皆がお互いの名前をまだ正確に把握していない頃だった。
 皆は私の名前を覚える気などさらさらなかった。
 「ごくう」の方が覚えやすい。
 
 通常の登校が始まる。
 
 他クラスの奴らとも知り合いになる。
 同じクラスになった奴が他のクラスの中学時代の友を連れてくるからだ。
 
 当然「ごくう」と紹介される。
 誰も私の本名を紹介しない。
 いや。紹介しようにも本名を覚えていない。
 
 クラスの委員を決める日。
 
 入学初めてクラスの委員になる者の相場はだいたいきまってる。
 賢そうな奴。
 よく喋る奴。
 そして・・・一番、目立つ奴。
 そうそう。一番、目立つ奴。
 A(現:火曜会マスター)にでもやらせればいい。
 
 げっ!  
 多数票入ってしまった。
 しかも本名書いたの数人。
 あとみんな「ごくう」と書きやがった。
 皆は本名とごくうと別人と思ってるから別々に票が数えられたのだが・・・。
 
 私は既にすっかり有名人であったのだ。
 
 とりあえず、皆が「ごくう」と呼んだ。
 もう半ば観念していた。
 ただ、後輩には呼ばせなかった。
 2年に進級したとき、それだけは徹底させた。
 
 ところが。
 クラスの皆は段々、「ごくう」と呼ばなくなって来た。
 「ごくうさん」はまだ良い。
 「ごくう先輩」・・・同級だって。
 「ごくう先生」・・・同じ年だってば!
 
 2年になった時、クラスの皆が「ごくう先輩」と呼んでるのを聞いて
 「きっと留年したんだ」と思ってた子がいたらしい。
 
 違う。
 「ごくう先生」・・・
 中学の時、「君は大人っぽいから、ときどき生徒と話しているとは思えなくなる。」
 なんて言われたが・・・。
 
 生徒である。
 
 とりあえず、3年過ごした。
 
 卒業前、A(現:火曜会マスター)のツテで火曜会の仲間と会う。
 当然、「ごくう」と紹介される。
 
 仲間たちの親にも紹介される。
 当然、「ごくう」と紹介される。
 
 年賀状「ごくう」書いてなかったから解らなかったらしい。
 
 スキー場。
 友達からアナウンスで呼び出しがはいる。
 当然、「名古屋から お越しの ごくうさま。。。」 
 をぃ!
 
 なんだかもう面倒になってきた。
 
 いつの間にか愛着持ってきてしまった。
 
 まぁ、確かに便利な点もある。
 スキー場でばったり友人と会うこともあった。
 もし、姓か名で呼ばれても気がつかなかっただろう。
 まさか、こんなトコであうなんて思ってもいないし。
 同姓の人でもいるんだろう・・・って。
 でも公衆の中で「ごくう〜!」と叫ぶ場面はなかなか無い。
 だから呼ばれると大抵気がつく。
 
 まぁ、ドラゴンボールの影響で子供の名前に「ごくう」ってつけちゃう人もいるから・・・
 これからはそんな場面も見かけるかも知れないけれど。
 
  (注:私のごくうの由来は「○○!○○○」であって「ドラゴンボール」よりもあるかに古いです。
     もう、20余年呼ばれ続けているのですから。)
 
  (追:でもニンニキのごくうと呼ばれるよりのドラゴンボールのごくうと思われた方がイメージいいか。
   ・・・TVアニメなんか見てるとき「ごくうさん!がんばれ!」なんてセリフを連呼されるのは
   ちょっと木端恥ずかしかったけど。)
 
 そんな、こんなで今では自分でも素直に「ごくうです」と自己紹介できるようになりました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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